他人事倉庫

他人事の長文置き場です。

劇団にまつわる他人事の妄想(殺され編)

どうも、他人事です。
今は、クリスマスを過ぎた世界線にいる筈なので、これを読んで下さってるという事は、以前から劇団EXILE沼にお住まいか、引き続き沼にいて下さってる方か、どちらかなのだと思います。
ありがとうございます&引き続きよろしくお願いいたします。

では早速ですが、皆さんがお待ちかねな『メンバー別・あなたの殺され方』の話を始めますね!
 
あ、説明要る?
要りますか?
まぁ、確かに? 皆さん側に立って考えてみると、些か不親切が過ぎるかなと思うので、手短に済ませると、CLの前身であるLDH TVの企画において(多分『TRIBE CALL』だと思う)ファンからの要望聞くよ!のコーナーで「夢系の企画をやって欲しい」って要望を劇団ちゃん達が受けてたんですね。
夢系って言葉、どこまで認知のある言葉なのか私は理解できてないのですが、劇団ちゃん達に至ってはどういうのが夢系なのかさっぱり分からんちんだったようで、みんなして「?」ってなって、その要望は受け流されてしまってたんですよね。
今でこそ、LDH製夢系コンテンツとしてプリレジェ&プリロワがございますが(そして、書きながら、その二つって正しく夢系扱いでいいのかしら? 特にプリレジェとか思いつつ)私としても、全くタイプの違う9人のグッドルッキングガイが取り揃えられているし、全員役者だし、これは夢系コンテンツ向なグループなのでは?と気付きを得たので、彼らに殺されるならどういうシチュがいいのか夢系妄想文章を9人分書いてみる事にしました。
これでもう大丈夫ですね?
論拠はしっかりご確認いただけましたね?
尚、夢系なのに何故殺され妄想かについては、私にとって夢系の究極だからです。
最早「夢系だから」殺され妄想だと断言してもいい。
この時点で宇宙猫顔になる人は、そっとバックスペースキーを連打される事をお勧めします。
正直、自分でもちょっと何書いてるか分からないのは確かなので、私だったら物凄い勢いでバックスペースキー叩いちゃうね!と自分の気持ちをお伝えつつ、ついてこれる人だけを本題にご案内してメンバー別・年齢順に書いていきます。
物凄い長いので、推しメンだけ読む!とか全然ありだと思うのですが、鈴町はセットで読んで下さい(鈴町コンビ業火担の圧)
 
秋山真太郎
あなたは貧しい村に生まれました。
ある飢饉の年。 大祭にて村の守り神である狐様(秋真さん)の生贄に捧げられることになりました。
満月の夜。 森の中の狐様の祠に白装束で連れてこられたあなたは、心細さとこれから自分を見舞う恐ろしい運命に震えています。
やがて、お月様が夜空の頂点に差し掛かるころ、祠の中から現れたのは世にも美しい九尾の狐様でした。
一目で心を奪われるあなた。 いつしか震えも止まり、お狐様は冷たい貌のままあなたの首に手をかけます。
満月の光が祠の中を照らし、夥しい数のこれまでの生贄達と思わしき白骨が浮かび上がりますが、あなたはもう怖くありません。
「最期に望みはあるか?」
狐様の慈悲にあなたは夢見心地で答えました。
笑って欲しいと。
狐様は少し驚いて「変わった子だ」と呟きました。
そして、あなたが今生最期に目にしたものは狐様の月のような笑顔になったのでした。
※大丈夫ですか? 今回、このように様子がおかしい文章が続きますよ?
秋真さんの事、狐様とか言い出しても怯まず、まだ読み進めてる時点で、相当なアタオカ仲間だ!と認定して話進めますけど(大失礼)、言い訳させて貰うと秋真さんが狐なのは劇団公式ですし(リプロ参照)、秋真さんには常々人ならざる者を演じて欲しいと願っていたので、こういう殺され方が理想になるのが自然の摂理ですよね?(狂人の顔)
人間の如き有象無象の命なぞ、奪って糧にしたところで記憶の片隅にも留めぬ秋真さんが私の理想なのですが、ハピエン厨でもあるので『私』を喰い殺した後に気まぐれで『私』を生贄に捧げた村に特別な繁栄をもたらしてくれたらスペシャルハッピーエンドだな!とか思ってます(ハピエンとは?)

・青柳翔
あなたは帝国の軍人です。
為政者による圧政が国民を苦しめているディストピアな世界。
今宵も宴会の余興として、悪逆非道な将軍による捕虜達の生き残りゲームが催されています。
今回の目玉は、先日の市街戦でようやく捕縛出来た、長きに渡り帝国への反乱を繰り返してきたレジスタンス同士の殺し合い。
最後まで生き残った者は褒美として自由の身となれる事を約束されています。
貴族達は誰が最後まで生き残るかで賭けを行い、何度も煮え湯を飲まされてきた同僚達はいい酒の肴になると大盛り上がりですが血筋故に軍属の身となってはいるが帝国のやり方に不満を抱いているあなたの心は沈むばかりです。
加えて、賭けにおいて一番人気のレジスタンスのリーダー青柳とあなたの間には因縁がありました。
『不死』の二つ名で恐れられ、レジスタンスにおいて熱狂的な支持を受ける青柳に憧憬の念を抱いていたあなたは、以前捕らえられ処刑寸前だった彼を密かに逃がした事があるのです。
檻の中でめいめい剣を持たされ、命を預け合った仲間達との相対を強いられるレジスタンス達。
光をなくした目で、剣を握りしめたままだらりと両手を下げ、微動だにしない青柳の姿を見てあなたは「『不死』の命運もここまでか」と肩を落とす一方で、狂おしい程に「例え全てを殺し尽くしてでも、彼だけには生き残って欲しい」と死体の山の上に立つ彼の姿を熱望しました。
まるであなたの望みに呼応したかのように、次の瞬間、青柳を除くレジスタンス達は顔を見合わせ、頷き合い、まるで示し合わせたかのように一斉に自らの喉を切り裂きます。
一斉に崩れ落ちる仲間達の姿を目の当たりにして、呆然と立ち尽くす青柳と、殺し合いが見たかったのにと落胆する貴族達。
約束通りの自由を得て檻の中から引きずられるように出された青柳は煌びやかな宴会場を見回し、俯いて笑い声とも泣き言も区別のつかぬ声を漏らしながら肩を揺らし、それから突如、獣のような咆哮をあげ、手にしたままの剣で間近にいた軍人を刺し貫いたのを合図に、一人対多数であるにも関わらず虐殺としか言いようのない殺戮を始めたのでした。
軍人も多く宴会場にいたとはいえ、碌な装備もなく酒も入っている連中はあっという間に切り伏せられ、重たい装飾品を身に着けた貴族達も逃げ惑いながら吸い込まれるように青柳の剣の錆となっていきます。
護衛の兵が会場に雪崩れ込んできますが、青柳の勢いは止まらず、宴会場に敷き詰められた、将軍御自慢の敗戦国の宝物庫から奪ってきた刺繍の絨毯が真っ赤に染まる頃、いよいよあなたに狙いを定め青柳が斬りかかってきます。
あなたは先ほど自分が望んだ死体の山の上に立つ青柳の光景において、自分自身もまた彼が作り出す死体の山の一体に過ぎないのだという事を悟り、罪を償うような気持ちで青柳の一太刀を抗う事無く受け止めました。
倒れ伏すあなたを一瞥し、そして初めてあなたが自分の命の恩人である事に気付く青柳。
慌ててあなたを助け起こしますが、もう手遅れです。
青柳が先ほどまでの獣のような様相からすると信じられない程に幼い、戸惑ったような、迷子の子供のような表情を浮かべました。
あなたは、そんな青柳に笑ってしまって息も絶え絶えに「いきなさい」とだけ伝えます。
青柳は唇を震わせ、黒い小さな星が二つ飾られている方の目から一粒涙を転がり落として微かに頷くと、あなたを残し振り返りもせずまた、殺戮の場へと身を躍らせるのでした。
どうした?(自分に向かって) 
ご覧頂きましたが如く、様子のおかしさを隠せない程に世界観を作りこんでしまいました。
楽しかったー!!(両手万歳ポーズで)
もうね! 悪霊に取りつかれたとしか思えないです(そもそも、この企画自体悪霊に取りつかれでもしないと思いつかない類のものですね)
この直後、各地でタイミングを伺っていた反乱軍が一斉蜂起して城に攻め込み九死に一生を得る青柳さんですが、もう少し時間稼ぎをしていれば仲間は自決せずに済んだ現実に絶望の底まで叩き落される展開まで考えていたのですが、私は青柳さんをなんだと思っているのでしょうね?
望んでいないのに自分の手に余る重い荷物を持たされて、生きる事を強要される青柳さんが性癖な余りにこんな事になってしまったとしか思えないので、多分私は悪くないのです。
 
あなたは常連客で賑わう、知る人ぞ知る絶品洋食店のアルバイトです。
店主(小澤)の作る料理はどれも美味しくて、特にじっくり煮込んだデミグラスソースから作られるハヤシライスの味に惚れ込んだ料理人志望のあなたは募集してないにも関わらず頼み込んで働かせて貰ってます。
店主は豪快な人柄に見えますがとても優しくて、賄いも以前にあなたが好きだといった料理を覚えてくれていて特別に作ってくれたり、「家で食べな」と言って余った食材を持たせてくれたりします。
かっこよくて、優しくて、こんなにいい雇い主は他にはいないと思うのに常連客は皆口を揃えて「あんたは長く働いてやってくれよ」とあなたに言います。
理由を聞けば、ここで働くアルバイトは皆長続きせず、挨拶もせずに姿を消すというではないですか。
憤慨するあなたに店主は肩を竦め「みんなもっとおしゃれな店で働きたいんだよ」と言いますが、あなたからするとこの食堂で出す料理、特にデミグラスソースを使った料理は、どんな三ツ星レストランでも味わえないものだと確信していて、店主にはもっと自信を持って欲しいと強く願うのでした。
そんなある日の店じまい後、店主が深刻な顔をして、もうデミグラスソースを作るのはやめにすると言い出します。
驚いて理由を問いただせば材料が手に入らないから作れないというではないですか。
あなたは、自分に出来る事なら何でもするし、材料だって何とかして手に入れてみせるから、デミグラスソースを作り続けて欲しいと懇願します。
すると店主は、その濃い睫毛に囲まれた真っ黒な目で、じっとあなたの目を覗き込み「なんでも?」と問い返すのでした。
店主曰く「今まで何度だってやめようとした」らしいのです。
でもその度に『材料』が現れた。
だから、やめられなかった。
引導を渡してくれるなら、是非あなたにお願いしたいと言いながら店主がカギ付きの大型冷凍庫の扉を開けると、そこには凍り付いた腕が一本。
取りつけられてるネームタグ書かれた名前は、きっとあなたの前に勤めていたアルバイトのものなのでしょう。
「これで最後。 食べたいなら、一緒に食べよう」
店主がそう申し出るのに酷く驚きますが、あれほど美味しいデミグラスソース。
きっと特別な材料を使ってるに違いないと思っていたあなたは、なんだか納得してしまって店主の言葉に頷くとその代わりに、その賄いを自分の最後の晩餐にさせて欲しいと願い出ます。
他のアルバイトに負けてなんていられないと思ったのです。
店主は「これで終われると思ったのに」と深いため息をつくと、冷凍庫から腕を取り出し、あなたはそんな店主を眺めつつ、他の誰を材料にしたソースよりも自分のソースが美味しければいいのにと願うのでした。
※そもそも、この一連の妄想文は『こういう役をやって欲しい』と『こういう役の推しにこういう風に殺されたい』の歪んだハイブリットなのですが(歪んでる自覚はあるよ!)、おざさんに食材として取り扱われるのって究極の夢じゃない? これ以上ある?とすぐに思い詰められた妄想です。 
食べられるエンドってオーソドックスと言うか、王道ネタだと思うのでおざさんで書けてよかったなと思いつつ、食べられるエンドが王道な世界isどこよ?とちゃんと冷静な私もいるので、安心してくださいね?(何を?)
おざさんなら、『私』の事を丁寧に筋切りしたり、アク抜きをしたり、骨の髄まで無駄にしないように使ってくれるんだろうなぁと考えると自然と笑顔になっちゃいますね!(同意を求めるな)

・SWAY
あなたは、ゾンビに噛まれました。
世界中がゾンビウィルスに侵された世界で、SWAYと二人で頑張って逃げ回ってきたけど、もう限界のようです。
夕日が照らす真っ赤な世界を、SWAYがどこかから見つけてきてくれたオープンカーに乗って、大音量でHIPHOPを流しながら流星みたいに駆け抜けます。
「どこ行きたい?」
金色の鎖のネックレスに派手なシャツ。
どんな状況でも身に着けるものにこだわりをもって、あなたの分まで「気分がアがるから」なんて似合うものを調達してきてくれたファッションモンスター。
にっと笑うむき出しの歯には金のグリルが嵌まっていて、初めて会った時には随分怖く感じたけど、今ではその笑顔に安心感を覚えます。
ゾンビの世界になる前には、一度だって腕を通したことのない類の高価なブランドを着て、ド派手なオープンカーに乗って高速をぶっ飛ばしている。
SWAYとだから、終末を痛快に生きられた。
ごめんね、人類とあなたは詫びます。
終わり行く世界で、SWAYと幸せだったから。
SWAYは黄昏の世界でも、きっとこのまま派手にオシャレに生き抜くのだろう。
隣でずっと見届けたかったと残念に思いつつ、あなたはありきたりだけどと前置きして海を見たいと伝えました。
SWAYが「おっけー!任しといて!」と元気よく答え連れてきてくれた静かな海。
ゾンビ達も見かけなくって、静かな最期を迎えられそうです。
夕日が沈んでいく海を眺め、意識の混濁を感じながら潮時である事をSWAYに伝えるあなた。
オープンカーの後部座席に積んであるマシンガン達は軒並み弾切れで、使い物にはならないけれど、SWAYの履いてるジーンズの後ろポケットに入っているピストルにはまだ、銃弾が残ってる事をあなたは知っています。
完全にゾンビになっちゃった姿なんて、SWAYに見られたくないから、もういいよって笑って告げるのに、こんな時だけSWAYは笑ってくれなくて。
寂しそうに「俺も、ゾンビになっちゃおうかなぁ」なんて言うもんだから、ゾンビになったSWAYなんてダサくて見てらんないよとあなたは突き放すのでした。
「そっか。そうだね」と頷いて、ピストルの銃口をあなたの額に押し付けるSWAY。
夕日が沈みます。 あなたがあなたでいられる時間はもう残り僅かです。
おねがいと言って目を閉じるあなたに、「バイバイ。 次に会う時は…」とまで言って、続きを言うより早くSWASは引き金を引いてしまったので、あなたはSWAYが最後にくれた言葉を聞かず仕舞いで終わるのでした。
※殺され妄想も四人目となれば、世界だって道連れに終わるものです(断言)
終末世界を推しと生き残りたい妄想って誰もが一度はしてると思うんですけど(?)、劇団ちゃんの中で考えるならSWAY一択だよねっていう私の気持ちの全てです。
ゾンビの世界をSWAYと生きるとか、最早楽しそうしか思い浮かばなくないですか?
 
八木将康
あなたは盗賊です。
貧しい出自の為、生きる為に仕方なく盗みを働いてきました。
幼馴染の将康と身を寄せ合うようにして生きていましたが、ある日、商家の蔵に盗みに入ってしくじったあなたは捕り方に追われる事になってしまいました。
絵図面が出回ってしまい、町にいられなくなったあなたを匿うまさやす。
だが、ひょんなことから隠れ家がバレた二人は一目散に山へと逃げ込みます。
折しも季節は春。
満開の桜が咲き誇る中、大規模な山狩りに追い詰められて足にケガを負ったあなたをまさやすが背負い、奥へ奥へと逃げ込んでいきます。
いよいよどうにもならないとなった時、覚悟を決めたあなたはまさやすに自分の首を差し出せと提案します。
まさやすの顔は知られてないのだから、ずっと人質にされていたと言えばいい。
盗賊を打ち取ったとなれば褒美も貰えるだろう。
捕まっても、どうせ処刑されてしまうのだから、まさやすの為に死にたいと言うあなたに大声をあげて泣くまさやす。
この声で見つかりゃしないかしら?とハラハラするも、そんな事は出来ないというまさやすに頼むからと言い聞かせ、手に刀を持たせると、あなたが一人で生きていく為の心得を伝えようとした時でした。
まさやすは、泣きながらそれでも随分と正確にあなたの急所を突き、あなたは別れの挨拶もなしに刺すなんて…と、呆れながらひっくり返ります。
視界一杯に広がる桜と、まさやすの泣き顔。
涙をぬぐったまさやすが立ち上がり、あなたの首を落とすべく刀を振り上げるのをなんだかホッとしながら見上げ、「元気でね」とあなたは見送るのでした。
坂口安吾ですけど何か?(開き直り)
まさやすは絶対に似合うんですよ~! 約束する! 今、もう約束してもいい!
桜の森の満開の下の盗賊とか、耳男とか演ってくれんかのうと望むあまりの狼藉です。
あんなに身体が大きくて、なんでもできる人なのに、どうにもまさやすに殺されシチュってなんだろう?って考えると「守って殺されたいなぁ」と思う私がいて、庇護欲ってどこから湧いてくるのか、何に対して湧くのか分からんもんだなぁってまさやすを見る度に思うのです。
 
・町田啓太
あなたは水族館にいます。
大金を支払ってVIP会員になったからこそ、案内される秘密の地下展示室。
各所に点在する水槽の中には、それぞれ見た事のない生き物が泳いでいました。
中には人魚なんて代物までいて、薄暗い展示室の雰囲気も相まって、夢を見ているような気分。
あなたと同じように大金を支払い、この展示室に招待された客達のさんざめくような密やかな声がそこらかしこから聞こえる中、あなたは一つの水槽の前から動けなくなっていました。
発光してるみたいに白い肌はところどころに滑るように銀色に光る鱗が煌めいて、今自分が何処にいるかなんてちっとも分かってないみたいに瞬く度に、蝶が羽ばたいているかのように長い睫毛が上下します。
信じられない位に整った顔立ちをした彼(町田)は、世間では大っぴらには展示できない飼育生物の中でも一際綺麗で、一際特別にあなたの目に映りました。
色とりどりの珊瑚や水晶で飾られ、水中花が咲き乱れる広い水槽の中で、少し心細げに漂う彼に口を開いてあなたが見入っていると館長がそっと近づいてきて「素晴らしいでしょう?」と聞いてきました。
すっかり魅入られてしまったあなたは頷いて、多少お金を自由に使える事もあり何とか引き取れないか聞きますが、館長は首を振り「彼は此処でしか飼育できないのです」と意味ありげに答えます。
分厚い強化ガラスの向こう側、水槽を満たす水も館長曰く特別な培養液だそうで「彼をこの環境に置いておかなければ生きられないのです」と、持って回った言い方をしました。
館長がスタッフに呼ばれ、水槽の前から去っても身動きできないままでいると、彼は少し辺りを見回して、それからあなたの顔を覗き込むような仕草を見せるとひらひらと手招きしてみせました。
あなたが吸い寄せられるように水槽に近づけば、にこりと優し気に笑って額を水槽にくっつけてきます。
誘うような眼差しに、あなたも思わず額を彼の額に硝子越しに合わせればヒヤリとした感触に身を竦めるあなたに「よくできました」という風に頷いて、彼は「ここから出してくれませんか?」と囁きました。
頭の中に直接響いてくる声。
彼の言葉が分かる事に驚くあなたに「誰にも話しかけた事はないのです。これが初めて。うまく出来てよかった」と安心したように笑みを深めると「お願いします。ここから出して下さい」と眉を下げて懇願してきます。
あなたは困惑して、この水槽の中じゃないと生きられないと館長が言っていた事を伝えるのですが、彼は目を見開いてそれから首を振り心配には及ばない事。自分は陸でも生きていける事。もし出してくれたなら、その恩に見合ったお礼は絶対にするという事を朴訥とした調子で訴えてきました。
すでに彼に夢中になってるあなたは、何とか願いを叶えてあげたくて、どうしたらいいのか尋ねます。
彼は嬉しに気に指を鳴らすと(勿論水中なので音などしないのですが)、左掌を水槽に這わせ、あなたに掌を重ねてくれるよう求めました。
水槽越しに手を合わせると力を込めて押しながら心から彼をこの水槽から解放したいと願って欲しいと請うてきます。
言われた通りに心から彼の自由を願えば、彼は目尻を下げ慈愛に満ちた笑みを浮かべて「その調子」とあなたを励ましてきました。
あなたは、この後どうなるかなんて一つも想像しないまま、彼が求めるままに願い続けます。
掌を当てている部分が熱く熱を持ち始め、ミシミシっと不穏な音が聞こえてきました。
彼いよいよ幸せそうに楽し気に笑っていて、声すら堪え切れないみたいにあげて、肩を震わせていて、それであなたはふと気付きました。
館長は「彼『を』この環境に置いておかなければ生きられないのです」と言っていた。
彼『は』ではなく?
じゃあ、彼がこの水槽から出たら誰が生きられなくなるというのか?
不安を感じて、掌を水槽から引きはがそうとしますが、まるで接着剤でくっつけられたみたいにあなたの掌は離れません。
掌に水槽にヒビが入る感触が伝わってきました。
分厚い硝子の向こう側から培養液が溢れ出します。
ヒビは水槽全体に広がり、もう取り返しがつかない事は誰の目にも明らかでした。轟音を立てて水槽が崩壊しました。
大量の培養液に押し流されそうになるあなたの手首を掴んで引き止めてくれた彼が鼓膜に直接届く声で笑い続けます。
悲鳴をあげて逃げ惑う人々。
館長が頭を抱えてうずくまっているのが目の端に映ります。
「約束通り、お礼をさしあげます」
彼はキラキラと輝くような笑みのまま言いました。
「おめでとうございます。あなたは俺の最初の犠牲者です」
そっと彼が大きな両手であなたの頬を包むように挟みました。
「ありがとう。さようなら」
彼が言い終わるや否や、あっという間に、あなたの命は彼に狩り獲られてしまったのでした。
最推しには、テッペン目指して突き進んで欲しい。
この気持ちはファンとして誰もが同意下さるものだと思ってます。
テッペンを目指すなら、天井など設けないで欲しい。
この気持ちだって、正常の範囲でしょう?
だから、最推しに殺されるのなら人類の脅威位のデカい男であって欲しい。
そして、その最初の犠牲者になりたいという私の願いとて正気の範囲内と見做していいと思うんです!(力説)
オッケー、オッケー、論旨がしっかりとしてるな!
誰も、グウの音も出ないだろう!
あとは単純に私がお町田さん『美術館に所蔵されろ』と言われがちだけど、「水族館の水槽で展示される方が私の性癖に合います」というお気持ち表明をしたかった事も書き添えておきますね。

鈴木伸之
あなたは吸血鬼です。
永い間人の生き血を得る事で生き永らえてきました。
今宵の晩餐には、滅多にみないような美形を攫ってくる事が出来てあなたはご機嫌です。
早速ご馳走を戴こうとした時でした。
意識を失っていた筈の獲物がパチリと目を開けると、ニカッと笑って懐から取り出した銃をあなたに突きつけます。
その銃身に彫り込まれた十字架の意匠を見て、あなたは悲鳴をあげました。
教会所属の悪魔狩り専門神父(鈴木)。
獲物が天敵である事に気付いたあなたは、慌てて逃げようとしますが神父は焦る事なくあなたの肩を銀の銃弾で撃ち抜きました。
立ち上がり、床に倒れるあなたを長身から見下ろす神父。
片手で銃の反動を完全に抑え込み狙い過たず的を撃ち抜く、尋常ならざる筋力と腕前に自分が敵う相手ではない事を悟るあなた。
覚悟を決めて目を閉じるあなたを神父は突然抱え起こすと、丁寧に椅子に座らせて、自分の腕を目の前に突き出してきました。
「ごめんな。俺にしてやれることは、この位しかない」
戸惑うあなたに神父は言います。
自分は出来れば、悪魔と呼ばれるような人ならざる者達と共存していきたいと考えている事。
だけど、吸血鬼が生きる為には人間の血が必要不可欠である以上、共に生きる事はどうしたって無理である事。
生存活動は生きとし生ける者に与えられている当然の権利だが、人間の立場に在る以上、人間を守るためにあなたを狩らざるを得ない事を、申し訳なく思っていること。
せめて最期の晩餐に美味しい血でお腹一杯になって幸せな思い出にしてほしいと考えている事。
その内容は凄腕の悪魔狩りとは思えないほどバカバカしくて、夢見がちで、傲慢ですらあるものでしたが、神父の表情は至って真剣であなたは言葉を失います。
目の前に突きつけられた腕には沢山の穴が空いていて、きっと同じように腕を突き付けられた吸血鬼達が神父の血を最後の食事にしたのだと知ると、愉快にすら思えてくるのでした。
「俺は特異体質で吸血鬼化はしないし、見た目通り丈夫なんだ。ほら、遠慮すんな」
無邪気に勧められ、そういう事ならと神父の腕に噛みつくあなた。
何しろ随分長い間生き続けてきたものですから、生きる事に飽きを覚えていたのも確かですし、最期にこれほど変わり者の悪魔狩りに仕留められる事になるなんて上々の終わり方だと満足感すら覚えます。
自分で言うだけあって、若く健康で美しい神父の血は美味しくて、夢中になって飲むあなたの様子を赤ん坊を見るかのような目で眺めていた神父は、そんなあなたの頭を優しく撫で続けてくれました。
「もういいのか?」
満腹になって唇を離したあなたに神父は問いかけます。
常人なら意識を保っていることなど不可能な位大量の血を吸ったというのに、全く平気な様子で神父は「痛くないようにするからな」と約束すると銃口をあなたの額に押し当て引き金に指を掛けました。
天国の門は、全ての者に開かれる」
安心させようというのか、言い聞かせるように告げる神父に皮肉一杯に吸血鬼にも?と聞けば「俺が頼んでおいてやる」なんていい加減に請け負った神父。
うそつき
笑ってそう告げるあなたにニカッと笑い返して、神父は引き金を引くのでした。
推しが人外妄想があるのなら、『私』が人外パターンもあるからな!
油断するなよ!(?)
殺され妄想において、聖職者はマストオブマスト!というのは説明不要だと思うので、有識者(?)の方々の中では、神父はいつ出るのかな?と待ちかねていた人もいるでしょうが、今でした~! お待たせです!
のぶが常々「ヒーロー物やりたい」と訴えている事と、共感能力の低いサイコパス味がある役を演じがちな現実が合わさって、こういう具合になりました。
正義の味方って、常々他者に寄り添わない優しさを持ってる事が必須条件だと思ってるので(そして寄り添わない優しさっていうのは、世の中には必要だとも思ってます)普段から面倒見の良いのぶに殺されるなら、最期にめいいっぱいあさっての方向で優しくされたいなとか夢見た結果です。
あと、みなさんがお察しの通り、この悪魔狩り神父のぶが前述の人類の脅威であるお町田さんの討伐に向かうのが、この物語の本編となっております。(?)
よろしくお願いします(??)
 
小野塚勇人
あなたは入院しています。
病状は重く、回復の見込みはありません。
余命宣告も受けており、静かに最期を待つあなたの傍らに、ある時から一人の青年(小野塚)が立つようになりました。
病室に誰もいないタイミングで、音もなく現れるので、この人は自分にしか見えない存在なのだろうとあなたはすぐに気付くのでした。
綺麗な顔をしているので天使なのかと問いかければ、顔を顰め、着崩した黒いスーツ姿の自分を親指で指すと「んなダサいのじゃないって。この格好見て分からない?死神だよ、死神」とぶっきらぼうに自己紹介する死神。
そして、死神は見舞客用のパイプ椅子に勝手に腰を下ろすと「ところでさ、スマホは持ってるよな? 暇だから対戦ゲームしねぇ?」なんてあっけらかんと持ち掛けてくるのでした。
それから死神はしょっちゅうあなたを訪ねてくるようになりました。
「暇つぶし」と言いながら、外の様子を教えてくれたり、花を一輪摘んできてくれたり、二人でダウンロードしたゲームに夢中になって時には大きな声まで出て、病室を覗きに来た看護師さんから隠れる為に死神が慌ててベッドの下に潜り込み、あなたが独り言を言ってた事にして大慌てで胡麻化した後に、ベッドの下から顔を覗かせた死神と顔を見合わせ笑い合ったり。
おかげで殺風景だった病室での日々が色づいて見えるようになってきた頃、あなたの病状が一気に重くなりました。
病院食が喉を通らなくなり、ゲームの相手も出来なくなって、死神は腕も上がらなくなってしまったあなたの掌を温めるみたいに黙って握ってくれるばかりになりました。
死神のくせに暖かな掌にあなたは、この死神に連れて行かれるのなら行き先が何処だって構わないと心から思いました。
病院近くの広場で花火大会が行われた、ある夏の夜。
病室の窓の向こう側一杯に広がって咲く花火の鮮やかな色した影がリノウム貼りの床に落ちていて、あなたはうつらうつらと揺らぐ意識の中で、こんなに綺麗な夜は二度とないって思えたので、今までありがとうって死神に伝えました。
死神は、その夜は冗談みたいに大きな鎌を背負っていて、まるで死神みたいって掠れた声でからかえば「だから、死神なんだって」と口を尖らせ、そして一際大きな花火が上がると轟音に紛れさせるみたいに「俺こそ、ありがとう」って呟きました。
それから、鎌をあなたに向かって振り上げて泣いてるみたいな笑顔で「迷子にならないように、ちゃんと案内してやるよ」と告げると、天使みたいな死神にあなたは夏の夜空の向こう側へ連れて行かれる事になったのでした。
※おのちゃに殺されシチュ、殺人鬼or死神という、贅沢な二択の狭間で悩んだ私の話聞いてくれます?
あ、返事聞かずに書いちゃうんですけど、おのちゃに殺されるなら?って考えだすと、もう無限に夢が広がりまして!
その無限の夢を、絞って、絞って、リモートシブザイルで見せた、埋める直前に「さよなら」って告げる芝居が良すぎて、殺人鬼エンドと今回のシチュとどちらにするか書き出す直前まで悩んで悩んで、優しい死神のおのちゃに引導渡して欲しすぎてこっちにしました。
妄想する以上、欲望には忠実に死ぬ!(強い覚悟)
うん、聞いてくれます?とか前置きしましたけど、びっくりする位大した話じゃなかった。
反省します!
のぶに寄り添わない優しさが似合うなら、おのちゃは観察眼の鋭さや、役の解釈が巧いところを鑑みても寄り添う優しさが似合う人だと思っていて、こういう死神演じて欲しいし、おのちゃな死神に連れてかれるのマジで夢だな、秒で成仏不可避だなと思ってます。
 
佐藤寛太
あなたは旅行者です。
数奇な運命の導きにより、思わぬ大金を手に入れたあなたは仕事をやめて、世界中を旅していました。
今、あなたは中国の蘇州にいます。
東洋のベネチアと称されるだけあって、水路が至る所に張り巡らされ、舟が移動手段として活用されている風景は初めて見るのに何故だか郷愁を覚え、借りた屋形船の船頭が漕ぐスピードに合わせて、格子が嵌まった丸窓から徐々に移り変わる景色に心を奪われていると、目の前に花のように香るお茶が注がれた器が差し出されました。
「熱いから気を付けて」
目を向ければ、寛太が微笑みながら「僕が淹れたんだよ? 冷めないうちに飲んでよね」と促してきます。
生意気な口調が可愛くて、言われるままにお茶を口に含めば薬草じみた味わいに顔をしかめるあなたにケラケラと明るい笑い声をあげ「身体にいいから我慢して」と言いました。
寛太は、上海で観た京劇の舞台で女形をしていた青年です。
艶やかな流し目と、揚羽蝶のように舞う姿に一目惚れし、興行主に頼み込んで紹介して貰った寛太は舞っている時の蠱惑的な印象とはガラリと変わって無邪気で屈託のない性格をしていました。
食事を共にしている時も、物怖じなく食べたいものを指差し、街を歩けば遠慮のない様子でショーウィンドウに飾られている欲しい物をねだってきます。
可愛い余りに言われるがまま、欲しいがるだけ与えてあげていたあなたに懐いてくれた寛太はあっけらかんとした調子で「僕、こんなに優しくされたの初めて」なんて嬉しい事を言ってくれたのでした。
聞けば幼いころに天涯孤独の身の上になってからは、各地を転々とし、役者になってからも言い尽くせぬような苦労を重ねてきたと明かします。
「今のお仕事だって、いつまで続けられるか分からないし。僕、あなたと過ごした毎日の事、一生の宝物にするね」と健気な事を言われ、呆気なく絆されたあなたはこれからは自分の為だけに舞って欲しいと申し出て、寛太の家族になる事を決めたのでした。
様々な手続きを上海で済ませ、次は二人で何処に行こうか?なんて考えながら過ごす蘇州での日々。
寛太の奔放な言動に振り回されながらも、毎日が楽しくて、こんな日々がずっと続くことに幸せを覚えながら寛太に、どこか行きたい場所はあるか尋ねようとした時でした。
突然、手足が痺れ、ひどい眩暈に襲われました。
たまらず床に倒れれば、舟先で水路に指先を落とし水面にすぐに消えてしまう軌跡を残しながら水の感触を楽しんでいた寛太がこちらを眺めてきます。
助けを求めて手を伸ばせば、寛太は花が咲くみたいに笑って「やっと効いてきた」と言いました。
もう、それだけであなたは充分理解できました。
さっき飲んだお茶には毒が仕込まれていて、この舟を手配してくれたのは寛太なので船頭もきっとグルなのでしょう。
既に書類の手続きは済んで、寛太とは家族である事が公的に認められています。
あなたの財産の大半を、寛太が引き継ぐことになる。
ああ、自分は「用済み」になったのだ。
すんなりと理解出来て、床にパタリと掌を落とせば「ごめんね」と小首を傾げて両手を合わせ、それから不意に掌を閃かせ、あなたを一目で惚れ込ませた舞をひとさし舞ってくれると「これはあなたの為だけの舞い。 約束は守るよ。 他の誰の為にも踊らない」と施しを与えるみたいに告げました。
あなたの意識はもう殆どありません。
蘇州夜曲の鼻歌を調子外れに奏でつつ、寛太があなたに近付いてきます。
舞はあんなに上手なのに…と思いつつ、寛太が歌い終わるのを待たずして、あなたはこの世に別れを告げたのでした。
※これこそ、完璧に夢系妄想だなと自画自賛させて下さい。
オタク、タニマチ気質持ち割合多目だと思うんですが(主語クソデカ前提)唸るような金を手に入れて、放蕩三昧に過ごした挙句、魔性の美青年に貢ぎ、最期に全て奪われて殺されるとか、私の理想の全部だし、寛太ちゃんはそういう手合いの役似合うよね~!と確信をもっております。
寛太ちゃんに全部吸い上げられたい!
土地の権利書とか差し出して、つまらなそうに受け取られたい!
ていうか、マジでそういう役やってくれ!
金持ちマダムとか、じじいを掌の上で転がしてくれ!と業の深い願いを星に捧げてしまっております。
 
 長くなった(絶望)
途中から、エドワードゴ―リーのギャシュリークラム のちびっ子たちを読んでるようなノリで見逃して貰えないだろうかって祈り始めてたんですけど、見逃して貰わなならんような記事そもそも書くな!と自分で自分を叱っておいたので許して下さい。
大体、夢系コンテンツはプリレジェ関連以外はアンジェリークしか知らない人間なのに、どうして夢系と言い張ってこんな正気の沙汰にないコンテンツを書き始めてしまったのか?
書いてる間は、ボンネット乗ってる時の達磨一家・日向紀久位祭りだ、祭りだー!って気持ちで楽しかったのですが(ボンネット乗ってる時の日向が祭りだ、祭りだー!って楽しんでるかどうかは知らんのですけど)書き終わってみると、理性の在処が一切分からない内容に仕上がった事に、怪物を創り出してしまったフランケンシュタイン博士ってこんな気持ちだったのかしら?と、自分の記事を持て余している次第です。
 
とはいえ、夢系の基本として「あなた」にはパーソナルな情報は殆ど付与せず、性別・年齢も不明な状態になるようにして書いてみたので、ご自分を重ねてみたり、自分にとって都合のいい「あなた」を当てはめてみたりして活用いただけると大変嬉しいですし、「ええい、こんな殺され方は全然見当違いだ! 私だったら、こう殺される!」という妄想をお持ちの方は、私が楽しいので、どうか発表してみたりして下さると、私が楽しいです。(いよいよ崩壊してきた文脈)
それでは、読む地獄と言える妄想文に長々とお付き合い下さいまして、ありがとうございました。
他人事でした。