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JAM -ザ・リサイタル- 感想

こんちゃす!
劇団箱推し、町田啓太最推しの女が書くJAM -ザ・リサイタルの限界感想文へ、ようこそ!
やぁやぁ、我こそは千秋楽から二ヶ月近く経過して、需要が完全消滅してから感想ブログを書き出す侍であるぞ!とか名乗りをあげる程に今更感がパねぇ事は分かってるんです。
加えて、今日食べた朝ごはんの内容も思い出せないような私は、最早「じゃ…じゃむ…じゃむじゃ…りさ…? え? 何?」みたいなタイトルすら覚束ない状態になってはいますが、まぁ、オタクの感想ブログとか8割思い込みで書いてるものですし(偏見)
大丈夫、大丈夫。
推しについてとか、幻覚書き連ねても大体同じ病気の人に「広義的には合ってる!」と肯定される事は経験則で把握してるもの。
町田啓太が微笑む度にその周囲に花が咲き乱れ、瞬く度に睫の先から煌めく星の欠片が散る様子が劇場最後列からでも確認出来たとか書いても「そういう事が起こってた気がする」ってきっと承服して貰えるので、大体そういう感じです。
総括すると「劇団EXILEてぇてぇ(尊い)…」しか言ってない内容の薄いブログを、勇気一つを友にして一万字位に引き伸ばして書いていきますね?

あと、びっくりする位全ネタバレなので、ネタバレを読むつもりがない人は読まないで下さい。

ドラマの時点で「私は何を見たのか?」と視聴者に熱帯夜に見る悪夢の如き世界観に巻き込んだ劇団EXILEが世に送り出す、知らん国の知らん村で10年に一度開催される奇祭みたいなJAMリサイタルを堪能する為、「勇者のために鐘は鳴る」以来、1年9か月振りの劇団現場に赴いた私なのです。
劇団ちゃん達は定期的なLIVEがお約束されてるグループじゃないし、劇団総出演コンテンツ自体、ある日を境に突然全く供給されなくなったとしてもおかしくない活動の仕方をしている面々なので、やると言われたからには状況が許す限り「行かぬ」という選択肢はないのが現状な訳で。
推しだしてまだ日が浅い私ではありますが、現時点において劇団現場に行く度に「これが最後かも」と悲壮な覚悟を決めてはいるのです。
ただ、正直なところを申せば舞台クラスタの末席に身体を限界まで縮めて体育座りしている身の上なので、多少は「そうか。お芝居ではないのか」という気持ちを抱かない事もなかったのです。
稽古期間が取れない事や、個々のスケジュールを鑑みると芝居が打てない事も得心するしかなくて、客である以上「興行側の事情を察した言動」とかは別に強いられなくてもいいのが道理ではありますが、ファンである以上事情に寄り添った態度を取ってしまうのも人情な訳で、発表を受けてから公演当日までの間の私の心情はずっと複雑であった事は表明しておきます。
つまり「劇団EXILEがリサイタルやるよ!」と言われた瞬間から「リサイタルとは?」ってすぐ呟いたし、その日から毎日「リサイタルとは?」って呟き続けた私がいたって話なんですよ。

だって、考えて?
そもそも論だけど劇団のオタクやってて、リサイタルに連れてかれる事…ある?
やらないよ~?
劇団は、リサイタルやらない。
マジで聞いた事ない。
劇団主催の音楽イベントはあれど、あくまでイベントであって本公演ではない。
おかげさまで劇団員のキャス配信にてリサイタルというタイトルの芝居ではなくてガチでリサイタルをやるぞ!という事を伝えられた私としては、テンションの高度すら定められずにMY初日を迎える事になったのでした。

結果、オタクが推し達が見せてくれるLIVEエンタメを殊更に特別視したいという傾向を鑑みても充分に特異なライブを観たなという実感を得ています。
なんか…ずっと天竺みたいだったね?(同意を得られにくい例え)
その位、想像してたものなんか全く届かない世界を観た。
いや、私の住む世界も見てる界隈も狭いので「そんな事ないぜ?ああいうライブって、結構あるぜ?」という有識者いらっしゃるかもしれませんが、オタクが「私が観た物は特別であったのだ」と思ってる気持ちに、そういった現実は不要ですので、どうぞこの他人事めには「劇団EXILEに特別なものを観せて貰った」という気持ちを抱かせ続けてやって下さい。
知識があればあるほど幸福かというと、オタク界隈においては知らないから幸せって事もね!あるからね!

という事で、各セクションごとに感想述べていきますね。
うん、JAMリサの各セクションとは?とか自分で書いて、既に不安がすごいんですけど、こんな私が無事に書き上げられるよう、どうぞ応援よろしくお願いします!

1.ヒロシ視点のJAMダイジェスト
冒頭30分をこれに費やすという事の大人の事情は分かってて、それでも「JAM観に来たな」って気持ちになりました。
まぁ、だからJAMっていうのはSABU監督の手による「映像」コンテンツである事が必要条件となっており、ライブイベントはあくまで別冊みたいな感覚で間違いないんだって思います。
あと、劇団EXILE御新規を国宝に指定してくれ!という程に大事にしたい私からすると、やっぱり「冒頭説明」が必要だよなって思わざるを得ないわけで。
会場を訪れる全ての人が同じ金額のチケット代払ってる以上、新規の人が「分からない」から楽しくないという状況を避けるのは最低限の誠実さではあるよな…とも思うのです。
あれないと、そらもう新規の人は迷子やで!
ていうか、映画・ドラマ完走しててもJAMに関しては多くの人がずっと迷子だからね?
なんだったら、あのJAMリサダイジェストだけ見た人の方が道に迷わずに済んでるかもしれん。
なので、JAMリサにて、あの冒頭ダイジェストでJAMリサ迷子にならずに済んだ新規の人には、なるはやでJAM完走して貰ってきちんと迷子になって欲しいものですね!(邪悪)
そもそも、ヒロシの目から見たJAMという認知の歪んだ世界観を最初に投げて来るとかJAM君は相変わらずパンクで尖ってんなという感慨も抱いています。
映画でもドラマでも虚無の体現者のような男の心の内を、まさか「語り」という形で覗けるとは思ってもみなかったし、登場人物全員多かれ少なかれ「何考えてんの?」な人達ばかりなのがJAMの特徴なのですが、一番「空っぽ」なヒロシが語る虚栄心と欺瞞と誤魔化しに満ちた語りは、それだけでJAMのサイドストーリーとして成立する確固たる世界観が成立していて、私は「ヒロシはこうやって自分にも嘘ついて生きて来たのか」とヒロシがヒロシである所以を聞いているような心地がしたものでした。
あと、あの映像見てるとヒシヒシと「オレ達はこれからMASAKOにされる」という覚悟も決められて、没入感を得られたのも不思議体験でよきでした。
これから二時間、私はヒロシと一緒に生きる!と思えるというか、ヒロシが心の安定剤にして止まなかった「おばさん」として座席に座れている事を寿ぐ気持ちにもなれて、私はあの冒頭の映像大好きですという気持ちをここに書き残しておきたいと思います。

2.タケルプロEXPO2022の開幕
MASAKOになる覚悟は出来てるけど、タケルプロの支援者になるとは言っとらんのよ。
びっくりしたよね。
久々に生で見る推しが「いや、言っても生きてる人間よ? 現場遠のいてる間に、頭の中で美の人外魔境みたいな扱いしちゃってたけど、美しさにも限度があるでしょ?」と自分の中でハードル抑制して会場に行ったら、やっぱり推しは人外魔境に美しかった事を超えて「タ、タ、タケルプロ支援者のみなさん?! 誰が?! 私が?!」ってびっくりしたよね。

タケルは、あれよ?
自分が決めた事は、世界の決定だと思ってるフシあるよね?
映画の時点でその気配があったけど、JAMリサはその傾向がピークに達した振る舞いを見せられているようで、最早私は「そうか、私はMASAKOでありタケルプロの支援者なのだな」と即時納得の心境に追いやられてしまっていたのでした。

もう、いいじゃない。
タケルに従うがままが楽じゃない。
何しろ御覧なさいよ?
あんなに脚が長くて、顔が見た事ない程よい男が「僕とみなさん、初めての共同作業です」と仰っているのですよ?
何処に逆らう必要がありますか?
タケルプロへの不満があるとしたら「CEOはその顔面で、なんでデビューせんの?」という位なものじゃない?
さぁ、これから宇宙船タケルプロの乗組員となって、イマジネーションの力で銀河の彼方を目指しましょう!(目がぐるぐるしてる顔文字)

うん、怖い、怖い、怖い!

町田啓太のオタク、すぐにタケルの信奉者なっちゃう! 洗剤とか、水とか、壺とかタケルプロに言われるがままに知り合いに売っちゃうし、タケルプロ所属タレントのCDをケース買いしちゃうし、チケットも大量買いして捌こうとして失敗して路頭に迷うとこまで私はシミュレーション完了しました。
イマジネーションをやたらとこっちに強いてくるあたりは、セサミストリートのエルモと一緒だけど、タケルはエルモと対局をいくからな!
とにかく会場にて、映画時点では予想だにしなかった顔の良さを胡散臭さに全振りしたキャラクターに到達してしまった怪物・西野タケルの真骨頂を初っ端に喰らって、私は息も絶え絶えになっておりました。
いくら名字が西野だからって、あの西野をオマージュしてますか?!位、今の世ならではの「毒」を含んでる芝居を西野タケルに対してお町田さんが組み立てた事に、御本人がよく仰ってる「心の中にある黒い町田啓太」を覗かせて貰ってる気すらしましたからね。
悪意が凄いんよ。
タケルという人物造形を容赦なく無垢なる化け物に追いやる、自分が演じている役への悪意が凄すぎる。
おかげで、この先のお仕事でも定期的に不穏なお町田さんを摂取したいという欲望すら抱かせてくれて、幾度かのメタモルフォーゼの果てに辿り着いた訳の分からん怪物を生で目の当たりにした怖気と喜びが湧き上がってくる事を抑えきれませんでした。
西野タケルはそんじょそこらの「悪い男」なんか相手にならん位、悪意なく関わる人間全員を地獄送りにする男だぞ!という危うさが伝わって来て、こんな男が芸能プロダクションのCEOなんて、絶対就いちゃいけない職業に就いてんじゃないの?と不安を覚えるばかりです。
うっかり支援者なんて形でタケルと共同作業までしてしまった以上、私達は全員人生を狂わされるかないのですね…と、会場を出た瞬間にトラックに跳ねられる覚悟を本編開始してから僅か10分以内の内に味わう事になるなんて。
推しを観てるというのにどうしてこんなに冷や汗をかかかなきゃならないの?と理不尽に対する疑問を抱いた事も併せてお伝えしておこうと思います。

2.爆アゲオープニング
私が死んだら、天国の門を潜った先にこのオープニングセレモニーが待ち受けていて欲しい。
そもそも、オープニングがかっこ良ければ大体のライブイベントは優勝を確定させてしまう私は劇団☆新感線を推してるのもオープニングが格好いいからという理由が大きな割合を占めておりまして、劇団EXILE公演は現体制になってからしか生では見られてないのですが勇鐘もJAMリサもテンションの上がるオープニングが御用意されている時点で、私の推し劇団になるべくしてなった運命すら勝手に感じております。
全員がきちんと役としての表情を浮かべ、役としての姿勢で出てきてくれて、全員役に準じてリサイタルに臨むにしては溌溂さのない、一切気負いのない佇まいなのですがタケルだけが物凄い笑顔で、ていうかリサイタル中ずっと笑顔なんですけど、とにかく張り付いたような笑顔を浮かべていて、この公演に前向きなのはタケルだけなのかな?と察してしまう始まり方に「解釈に合う!ていうか、ちゃんとしてる!」と、リサイタルと銘打たれども、やはり土台には演劇がある事を確認出来て安心を覚える事も出来ました。
逆に、このオープニングを見るまでJAMリサイタルに対して、一切安心出来てなかったという事が明確にもなったので「ちゃんとしてる!」じゃないんだよ。
むしろ、ここに至るまでちゃんとしてるかどうか不安にさせるんじゃないよ!と、今更ながら頭を抱えもしたんですけどね。

3.チャンチャン麺
佐藤寛太のチャイナっ子とかオタクの夢過ぎて、初めて見た日は口に手を当てて驚きと感激を表現する昭和仕草まで炸裂させてしまいました。
赤い生地に金色の模様が散ってるチャイナ服でレスリー優勝決定案件じゃありません?
大正義と書いて、チャイナ服のレスリーなのでグッズ販売にチャンチャン麺がないのなんで?って百万回問いかけたいです。
オリエンタル醤油味喰わせろよ!
たった1分すぐ美味しいとか、カップラーメンとしても「待つ時間短くない?」というハードル高い商品にしてんじゃないよ!
分かった! 今回間に合わなかったのなら、チャンチャン麺を居酒屋EXILEのメニューに加えてくれ!
ていうか、いい加減劇団は居酒屋EXILEで個々のメニューをくれ!
シンさんと金城の黒チャイナ観れたのも嬉しいし、ずっと可愛いが溢れていて、動物動画見てる顔になってしまいました。

4.くず
今回私の目測範囲において、物凄い猛威を振るい人を狂わせまくったせらたきコンビ。
映画版の二人は台詞が少ない事もあって、不穏と剣呑さの塊だったのに、JAMリサに至っては可愛いだけになってる事に感慨すら感じてしまいますね。
劇団EXILEが歌巧集団である(一部除く)事を誇示するかの如くのデュエットと、歌唱中の段取りの多さに目を白黒させている内に、髭ギャル(183㎝)とめちゃきゃわギャル男(181㎝)の高身長カップル通り過ぎ、ひつじぬい抱えて10秒ほどだけ通りすがるタケルまで現れ、後日談としてトイザらスのひつじぬいを完売させる事態まで発生って…情報量が多い!!!!
色々起こり過ぎてるよ!
一曲歌ってる間にこれだけの事が巻き起こるの尋常じゃないよ!
経済まで動いてんだから、一観客である私に受け止めきれたもんじゃないんだよ。
髭ギャルの白黒太目ボーダーワンピにヒョウ柄カーデ併せて黒タイツにムートンブーツとかコーデが完璧過ぎて、青柳さんはギャルやってる時よか後述するサンバでアミーゴなヒロシの時のが露出度高い事に対して、私は一回冷静さを取り戻したいんです。
いや? ギャルは露出度高い等という旧弊的なファッション観念を打破してくれる為にあえての肌見せないファッションだった?(冷静でない事を証明する気付き)
いずれにせよ、「日本丸ごと片付けてやる」をモットーにくず拾いとして全国をまわるせらたきの活動、本当にようつべに上げられたなら、事務所に煽られずとも自発的に再生回数100万回とか目指して毎日再生する事だけは約束できるなって考えております。

5.MASAKO・ザ・ギャラクシー
JAMリサ演目の中でもぶっちぎりで「人にどう説明しても伝わらなさそう」選手権優勝コーナー。
これ、各演目何処まで出演者のディレクション任せなのかは分からないのですが、タカシとタケルのみが、舞台がチンコ一人勝負タイムがあって、ただタケルが狂言回しの役目を負っている側面を加味すると、マジマジのマジで一人ぼっちで自分のコーナーこなして見せたのはSWAYだけなんですよね。
状況に応じて喋る内容変えてるし、ご当地ネタも放り込んでるし、度胸のパロメーターカンストしとるとしか考えられん。
音楽ライブというカテゴリで見れば、他のメンバーよりも頭一つ抜けて踏んでる場数が違うだけあって、勇鐘の時に「ドーベルのライブと比べ物にならない位緊張した」と述べてた時のような気負いもなく、ただひたすらに「凄いギラギラした男前の演歌歌手が、視界を極端に奪われながらも、なんかいい感じに劇団ファンの大半が見慣れぬ機械を操り、ペンラを振らせ、歌ってきっちり場を保たせた」というような、ラッパー職人である姿を拝ませて貰ったなと考えています。

6.山下・金城のマジカル・ブラックバード
出し物感が満載な金城のマジックショーを見ていると「ここは町の小さな公民館かな?」とあたりを見回したくもなったのですが、二人が歌ってるのはラップですし、段取り数はエグいし、タケルは「歌いながら膨大な段取りをこなさせる」仕打ちを自社タレントに強いる事が多すぎる!と詰め寄りたくもなりました。
せらたきコーナーと同じく、情報量が多いのよ。
観客としては、劇団ちゃんを盛り上げる事に全力を尽くしたいモンペタイプが多いのでは?と勝手に思っているのですが、その我々をもってしてもラップの合間にマジックが成功する度にタイミングよく拍手をするという芸当が難しくて困り果てました。
とはいえ、リリックを口ずさみながらマジック見せなきゃならん彼らの大変具合を思うと、小さい檻から出てくるタケルを見た瞬間に何もかも吹き飛んで「小さい檻からでっかいタケルが出て来た!」と見たまんまの事柄で脳内を埋め尽くされた我が身を申し訳なく思うばかりです。

6.テツオていうか鈴木伸之が歌うコーナー
まぁ、だから歌う鈴木伸之でしかなかったのですが、何しろ歌が巧いので「鈴木伸之は歌が巧いなぁ」と普通に聞き入りました。
私という人間は、多分常人に比べて相当に歌を欲さない性質の持ち主なので、あれだけ「タケルプロ所属タレント、歌いながら煩雑な段取りを強いられすぎじゃない?」と述べていたのに、じっくり歌に専念する姿を披露されると「テツオだけ甘やかされてない?」とタケルに詰め寄りたくなるのですが、何しろギターの弾き語りに一生懸命に挑み、手を粉塗れにしたり、水を零したり、床を拭いてくれるスタッフさんに申し訳なさ過ぎてウロウロしようとしてガチ目に制止されたり、汗一杯かいたり、唐突に町田啓太の仕事のプロモーションをぶちかました挙句観客にクソデカ拍手を強要したり、まぁまぁまぁそうね。
甘やかされるに足る可愛さしかなかったので、振り返ってみても「稽古時間ロクに確保出来なかっただろうし、しょうがないか!」と納得しています。(最後に身も蓋もない事を言うスタイル)

7.ヒロシアター

ここまでの演目ぜーーんぶ前座でえええすううう!!!

みたいなやつ、急に喰らわせて来るのは、殆ど暴力なのでは?


JAMリサイタルの奇妙なお祭り感の正体は、大体ヒロシアターのせいです。
出てきた瞬間から面白いしか提供されてないんですけど、横山田ヒロシ、青柳さんが身体を大きくしたせいで相当強そうな事が一番面白くて横隔膜が破れました。
ヒロシに強さはいらんのよ!
普段から焦点が何処にあるのか探り難い眼差しをしている青柳さんですが、目がイっちゃってるせいでヒロシの365日毎日5回公演の説得力凄いし、そういう地獄に堕ちたんだな、この男はとか深く頷いてもしまったのです。
映画での初登場時から地獄へ行く男である風情が漂いまくってたヒロシですが、ヒロシの地獄がタケルだったなんて想像すらしていなかった訳で、JAMリサでタケルが用意した地獄で虚ろに歌う姿がべらぼうに面白いとか、青柳さんが滑稽を突き詰めた時の威力の凄さに舌を巻くしかなかったです。
何しろ、365日毎日5回公演の力こそパワー!みたいな言葉の強さと、ヒロシの佇まいが合わさると文学の香りすらしますからねとか、まぁ、全然言い過ぎだなって分かってるんですけど。
ヒロシアターの乱痴気ショーにおいて我々も「こんばんわ、ありがとう」をコール&レスポンス出来ないの地獄に堕ちる訳ですし、じれった過ぎて「おれをMASAKOにしてくれ!」と座席で暴れたい気持ちにならなかった人などいない筈なので、観客全員でおもろい地獄味わいましたねぇとしみじみすらしている訳です。
立ち姿、振る舞い全部演歌歌手の地方公演感味がライブで目の当たりにすると一際生々しくて、この人は本当に歌も芝居も巧いと絶賛が止みません!(青柳翔相手に余りにも当たり前体操な事をあえて書く)

大体、「龍だ! 龍神だー!!!」って龍が出てくる事自体、もう破綻っていうか不条理な展開なんですけど、何もかもどうでもいいっていうか、この後にアミーゴが控えてる以上、前振りに龍神位はそりゃ必要でしょうよと納得すらさせられる訳で。
クレアちゃんがホイッスル吹きながらBDBを統率し、龍の動き制御してるの可愛さの訳の分からなさの極致だし。
ポンチョなBDB、全員サンリオとのコラボ不可避な可愛さだし。
青柳翔、ミュージカルに出てくれ!って本人に直々に訴えた望みを更に募らせてしまう程に、突然ミュージカル調になった時の声量素晴らしいし。
私がJAMリサ通った理由の相当な割合ヒロシアターが締めてるのは確かではあるのですが、何を見たくてヒロシアターに通い詰めたのかの正体はやっぱり掴めないままで。
毎回、横隔膜がちぎれる予感に怯え、「死ぬ。 酸素の供給が足りなくて死ぬ」と死の瀬戸際まで追い詰められ、ヒロシが「アミーゴ!!!」と朗々と叫ぶ度に寿命の削れる音を聞き続けたあの日々を、私は虚ろな目で「楽しかったナァ」とぼんやり思い返すのみなのです。
総括としては、金色の短パンに銀色の足首ソックス履かせるナカサチさんに天才の仕事だな…と唸るばかりのひとときでした。

8.BDBのバースデーソング

心臓が握りつぶされる音をシンさんを目の当たりにした時に確かに聞いたのです。

MA☆JI☆DE☆ 一生推させて欲しい!!!

だって、あんな…まさか、チンピラ山下が種族でいったらエルフです!!!みたいな男になるなんて聞いてないんですよ??
彼を始めてみた瞬間、咄嗟に脳内を駆け巡ったのは「死ーーーーー!!!!!」みたいな叫び声だけでした。
シンさん見てる間メメントモリがやまなくて、最終ラマーズ法みたいな呼吸しか出来なくなっていたんですけど、本当に私は私を勘弁して欲しい。
シンさん含め、BDBの事をこんなに好きになるつもりは私にはなくて、ライブってマジでこええ、こええ、どこでどんな沼に落ちて死ぬか分からんと、久々の現場で完全に手遅れ状態になった私が実感したのでした。
そもそもBDBの人間関係って、映画とドラマとライブでの合算で、最終的に劇団ちゃん内での人間関係が色濃く反映された間柄に収まったのも可愛くて、リーダーとか確かチャンチャンだった筈なのに完全に仕切りはセーラだし、末っ子甘やかされターンと、叱られターンが最年長二人によってもたらされてたのも「ははーん? 私を殺しにきたな?」って位可愛くて、クレアちゃんの方を自分の腕置き場にしてるチャンチャンとかを眺める度に「もう完全に佐藤寛太なのよ」と呻くしかない私がいたのでした。
クレアがシンさんに圧掛けられて敬語使ってるのも、小野塚勇人秋山真太郎でしかなかったし、どうぞ!劇団五人のきゃわたんなコーナーです!って言われたら「あ、最高ですね」と頷くのですが、あくまでBDBの五人ですよ?というスタンスは崩さずに、ファンに対するバースデーソングプレゼントなんていうアイドル企画まで実行し、にじゅら前の「We are birthday Boys!」の掛け声はこの先も永遠に聴き続けたい!と祈るまでの気持にもさせられたのでした。

・にじゅら
こんなに気持ちのアがる曲この世にある?
時よ停まれ!と祈りながらペンラを振り続けた大名曲。
ずっとシンさんを見てた私を告白します。
好きで、好きで、好きで、弊推しがこの世で一番かっこいいでぇぇぇす~~~!!って心の中で叫びながらペンラ振るのが五億年ぶり位になるものだから、ライブ後は普通に腕が筋肉痛になってましたし、この痛みはシンさんがくれたもの♥とか限界オタクのキショいときめきを得たりもしていました。
BDB、マジで頼む!!!
活動続けてくれ~!!
エクストにもにじゅら登場してくれ~~~!!!!

 

・キャモン
ずっと、目が足りない、目が足りないと苦悩し続けたJAMリサにおいて、目が足りない度最高値を叩き出す「見るとこしかない」パフォーマンスがこちらになります!!!
もう一周まわって「これ以上好きになったら辛いから、何も見たくない…」まで到達しましたし、病んでるね、私!とか今だと冷静に気付けますけど、見れば見るほど好きになる呪いみたいなパフォーマンスでした。(オタク、幸せ過ぎるとすぐ不吉な表現しがち)
JAM君さ~、ドラマで女性ダンサーがセクシーに踊って見せたバックダンスをBDBにお任せするのとか、そういうとこ! そういうとこだよ~~??
もう、スカートを太腿からスススって指先で捲り上げるポーズをBDBにキメられた瞬間新宿にあるストリップ劇場の最前列に陣取るおっさんの顔に私はなっていました(下品が過ぎる表現)
ヒロシとタカシは訳分からん歌のうまさだし、Hu~Hu~♪のとこの振りとか、正気を毎回失くして「破廉恥!!」って心の中で声援がやみませんでしたから。
毎回、毎回、気が狂うし、毎回、毎回、甘く、熱い、赤い唇~♪のとこのシンさんが唇を少し突き出しながら、こちらを振り返りつつ人差し指を唇脇にあてる振りは国を傾ける! 日本が垂直になる!!(?)と恐怖に慄く具合で、思い出すと「今すぐ見たい」ってなっちゃうので、もう出来るだけ思い出したくないし、早く円盤が欲しいし、私の情緒はタケルプロのせいで滅茶苦茶です。
責任を取ってくれ!
シンさんの隣で踊るチャンチャンも小悪魔ちゃんとは私の事ですけど?な可愛さで、美人と可愛いが並んで踊ってる姿に、JAM映画にて寛ちゃん、秋真さん、お町田さんトリオで舞台挨拶巡りしてた時「劇団のキャッツアイ」と三人の事を呼び続けた気持ちを思い出しました。
セーラの王道・完璧アイドル感も一生胸に刺さって抜けない棘にされちゃうし、金城の太陽みたいな笑みを浮かべながら踊る姿にハンバーグ師匠と呼ばれてた男の変遷を想って胸が熱くなる私もいて、フィナーレとして最高の一曲だったと思います。
そもそも論、LDH所属のグループを推す女として致命的な欠陥なのですが、私は踊るという行為に健全さよりも、如何わしさを見出して感銘を受ける性質の持ち主なので、キャモンに感じる婀娜花めいた艶やかさは全部私が男が踊るという事に求めてやまないものばかりを見せて貰ってる心地がして、夢みたいな時間だったなって思い出しては溜息を吐くばかりなのです。

・飛ぶタケル
ラスト、1から10まで「こんなものが待ち受けてるとは思わなかった!」なものを見せられ続けた果てに、推しが目を光らせながら空を飛ぶ姿を観た私の気持ちが分かりますか?
確かに、勇鐘で飛んだまさやすに続き自分が飛ぶかも?と懸念を口にされていたお町田さんは知ってますよ?
劇団EXILE専属のぶプロデューサーに「僕が考えます!」とばかりに、その提案を保留にされた事も知ってます。
ただ、飛び方が…なんだろ…想像と違ったっていうか、ワイヤーに吊られるとかやないやん?
映像撮りして、もう人間じゃないやつにされてるやん?
jamに関しては、突飛なもの見せられ過ぎて飛ぶタケルも平然と呑み込んでしまいましたけど、映画のJAMでプレジデント転がしてた狂気的独善お兄ちゃんなタケルには、まだ人間の気配があった筈。
思い出して欲しい。
ドラマのJAMだって、ちょっと怪しくなってはきたけど、最低限人間ではあった。
でもさ、でもさ、舞台の最後に目が光って飛ぶの、もう投げっ放しジャーマンみたいなキャラ付けじゃない?
どーーにでもなーれっ☆彡っていう、劇団EXILE及び成さんの声が聞こえたの、あれ幻聴だとは思えないんですけど、多分劇場にいる人間の相当数町田啓太目当ての人間だったろう事や、それを制作側が把握してない訳ない事実を鑑みると、劇団EXILEの時々見せる尖り具合にもう私は笑う事しか出来なくなっているのです。
だって、沼落ち直後に初めて生で町田啓太観に劇場行く人、最後目が光って飛んでく姿で公演が締められる覚悟は誰も決めてねぇぜ? 絶対にな!
そんな能力あるなら、タケルってば美咲が撃たれた時にジェノサイド巻き起こす事だって出来たじゃないのよさ!とかまで追求するのは野暮ってもんですし、そもそも美咲という存在自体、タケルの全知全能の力を持って作り上げられた幻想かもしれないとか思い出すと、完全にjamのジャンルが変わってしまうので、もう何も考えない顔をして「タケル、空も飛べるんだぁ。 すごぉい」と小さく拍手する事位しか、観客に出来る事はないのです。

・カテコ

色んな嬉しいお報せを貰ったり、劇中のあれやこれやをお互い揶揄しあったり、劇団EXILEはこんなにも仲良しです!を見せつけて貰えて、最後の最後まで幸せな時間でした。
SNSライブ配信して、各地とこのカテコを共有できたのも楽しかったですね。
私にとっては劇団写真下手糞選手権会場はこちらです!な時間でもあって、こんなに毎回下手糞な写真、よく撮れるね? 私は優勝候補としてエントリー致します!の心意気を抱く事も出来ました。
どの回も最後の最後まで私達を楽しませてくれようとしていて、千秋楽なんてマイクが使えない時間帯になっても、生声で気持ちを伝えようとしてくれて、なんや知らんけど劇団EXILEが応援してくれる人間の事をとても大事に思ってくれる人達である確信は得られたし、これからも推すぜ!という気持ちで私は胸が一杯になりました。
円盤には、全カテコのご様子を収録して欲しいのですが、同時にアベマTVで行われた、まさやすの天才司会っぷりが光る座談会も収録して欲しいし、稽古場の様子も入れて欲しいし、強欲さが募るばかりです。

チケットは最初三回分押さえていて、演劇じゃないみたいだし、まぁファンとしてはそれで充分通ったと言えるだろうと思ってたのに、結局東京の再追加公演含めて7回通うという全通した人とかに比べたらアレですが、私的には相当な回数追いかけさせて貰う羽目に陥って私は、JAMリサの何をそんなに愛してしまったのだろう?と首を傾げるばかりです。
正直、勇鐘のが満足度は高いです。
やっぱ、芝居が見たいし、JAMリサは突貫工事の印象だって否めなかった。
完成度の高いものだったか?と聞かれたら首を傾げつつ「ファン以外には、お薦めできません」と真顔で答えるしかないでしょう。
でも、筆舌にし難いような、訳の分からん中毒性があって私はこの先ずっと、「何に自分は熱狂したんだろう?」って首を傾げたまま、それでもjamリサを追いかけた日々を幸福な思い出として大事に抱えて生きていくのだと思います。

それでは、長々とここまでありがとうございました。
今更な、Jamリサ感想はこれにて終了です。
次回は、シンさんの沼人(ぬまんちゅ)になったオタクが、中の人が主催する盆栽ツアーに参加して断末魔を上げるご様子を、ここで克明リポート出来ればと思っています。
再見!