他人事倉庫

他人事の長文置き場です。

JAM -the drama-  第5話感想

始まってから終わるまでの速度が5話は断トツで早くって、勿論それは私の感覚の話でしかないと分かってるのですが、リアタイ時には見終わった瞬間にポカンとしてしまいました。
「え? エンドロールが流れるって事は終わったって事?」みたいな、白昼夢から無理矢理起こされたみたいな呆然感があって、多分ヒロシの新曲をたっぷり聞かせてくれたり、「今夜涙じゃ帰れない」をフルでパフォーマンスしてくれた事もあって、物語パートが少なめだったのが要因なのでしょうが、本当に「終わったの?」ってきょろきょろしちゃったし、そんなに短く感じても、ちゃんと物語はこれまで通りとんでもない方向に進んでいたので「いや、やっぱりいつものJAMドラか」と納得させられてしまってもおります。
何しろ、第5話の醍醐味といったら久々にMASAKOが大いに笑い、スープを振る舞い、溌溂と輝く姿を見て「それでこそ、私のMASAKO!」と嬉しくなれた事でしょうか?
推しの悪口を言う奴には、即効性毒スープをお見舞いだー!!!とか、もう私も「かくありたい」とか思っちゃったもの。
劇団EXILEをdisるヤツらは、全員自作スープ(材料・製法が謎)の餌食にするぞ!とか私も張り切って生きていきたいもの。
これ映画から続けてドラマ見てる人共通の感覚だろうけど、あれ程反面教師として、また「おれたちが辿り着けない場所まで追いつけないスピードで駆け抜けてしまった」限界オタクとして、畏れの対象に鎮座していたMASAKOはもう私達とは地続きの存在ではなくなってしまいました。
映画では私はMASAKOになるまいと決意していたけど、ドラマのMASAKOにはなりたくてもなれんよ。
だからこそ、野放図に応援できると言いますか、乱痴気ショーで腰を振って踊る(あんなにねっとりケツって振れるもんなんだなって感心すらしました)ヒロシに吸い寄せられてこうとするMASAKOに、微笑みながら頷く事も出来ましたしタカシのマネージャーとの名コンビも確立されつつあって、JAMドラで女性同士の面白コンビが生まれている事に対する喜びと感慨深さまで感じてしまったのでした。
マネージャーがタカシの悪口言われたら「毒スープ制裁やむなし!」なタカシ過激派だったのも嬉しかったポイントで、先週回にて有能で敏腕なのにタカシと一緒にタケルプロに移籍しちゃった時点で「何? このマネージャー最高じゃん! 推せる!」ってすぐ心に決めてたのですが、タカシの悪口を言ったタレントのみならずマネージャーにも制裁を下して欲しがってた姿に、更にその気持ちが加速させられました。
でもさ、社長の武器が即効・毒スープで、敏腕マネが隠蔽工作請け負う司令塔で、裏のオーナーがサイコパスヤクザな事務所、どう考えても芸能界を恐怖手腕で牛耳っちゃうでしょうよ。
所属タレントも、元ヤクザが半数以上を占めちゃってるし、来週には暴力の化身が歌手デビューしちゃいそうだし、新興事務所だけど戦闘力の高さは業界1が約束されてるじゃん? 何でもありか?!とか思いかけるも、うん、まぁJAMだし何でもありなんだよなぁ初回からと、もう私も慣れたもんなわけですよ。

しかしドラマのワンシーンとしてもやっぱり、JAMの歌唱シーンってちょっと持て余すほどに豪華ですよね。
トンチキと「そうはならんやろ」のバイアスが常にかかり続けてるドラマだから、ヒロシが歌うシーンとか、面白場面の一端として一度咀嚼はするけど、咀嚼してる最中に「これ、凄いことやってない?」って気付きを得るみたいな事を繰り返してますし、第5話は特にその傾向が顕著だったように思います。
まず、シンプルに歌手活動から手を引く宣言してる青柳さんの歌をヒロシなら浴びるように聞かせて貰える現象の不可思議さに、私はずっと首を傾げてはいるんです。

映画JAMでの曲数と併せたら、もうヒロシ名義でアルバム出せる位には歌ってるんじゃないですか?
リサイタルでヒロシのアルバム売ってくれる気はありますか?
その際、青柳さんがカバーした「若者のすべて」も売ってくれませんか?

金なら! お金なら出します!と留まる事のない欲望を書き連ねつつ、ヒロシ本当に歌はうまいんだよなぁって、聞き惚れてもしまうし青柳さんにも、やっぱり歌ってて欲しいんですけど、本人が青柳翔としては思う所は在れど、役者としてヒロシ名義なら屈託なく歌えるという心境であるのなら、あの歌声を聞き続ける為にずっとヒロシ役はライフワークとして続けて欲しいなって気持ちにすらなっているんです。
その場合、曲がムード歌謡曲に限られてしまうのだろうか?という不安はまぁ、別にしてですね?
その上、今回本業はラッパーです!なすぅえーどんがタカシ名義で純烈とヒロシと歌いますという(しかも、曲が素直にいい曲)事態に陥ってる訳で、正気に戻ると小芝居・早着替えのすっとこどっこい具合に「これ、何見てるんだ?」とか「何を聞かされてるんだ?」とか冷静な私が呟きはするんですけど、まぁ、ドラマの速度が凄すぎて正気とか差し挟まれる余地はないですし、素直に心から「ヴィーナスのお歌聞けたらいいな」ってリサイタルが楽しみで仕方がなくなっているのです。

テツオも、今週も可愛いばっかりだったな~!
ラリアちゃんは、正直すぎるけど優しい子だって事はテツオの祖父母に対する態度でも分かってる訳で、好きになった相手に心底尽くしたり、他人の言葉に素直に心動かされたりするようなテツオが、彼女といれば「善き人」として振舞えるようになっていくかもしれないなって感じてて、ラリアちゃんのグラビア撮影にあんなに一生懸命送風係に徹する姿を見てると二人でずっと幸せになってくれって本気で祈ってしまうのでした。

可愛いといえばバースデーボーイズも衝撃的に可愛くて、思わずリサイタルに向けて団扇を作ってしまいそうになる私が爆誕致しました。
そもそも、ピーチさんの造形が美しい時点で私はバースデーボーイズパートで御機嫌になっちゃうのですが、その造形の美しい人に滝口が「クレア」で世良が「セーラ」と名付けられた瞬間、テンション爆上がりですよ。

セーラと!!!!クレア!!!!

声に出して呼びかけたいお名前過ぎる!!!
で、間を置かずシンさんのお顔を両手で挟むピーチさんのシーンでね!
「ヒューーーッ」って喉から木枯らし拭いてるみたいな音が出ちゃいましたからね!
ピーチさんの身長が巨人族揃いの劇団と遜色ない位に高いからこそ成立したシーンだし、私は秋真さんのガワした役が、そういう扱いを受ける場面を初めて見たもんですから、動揺して、動揺して、もう一回その場で立ち上がったし、その後しばらく言葉を失ったりもしたのでした。
ピーチさんが金城に言った「テレビキャメラもないのに謝罪してんじゃないわよ!」っていう台詞も最高なんだよな~!
ステロタイプのオネエキャラじゃねえぞ?!みたいな凄みすら感じさせてくれて、この先、ピーチさんとバースデーボーイズらのシーンも、私にとって大いなるお愉しみポイントになる事が決定されたのでした。

それにしたってドラマのラスト、MASAKOの毒スープ犯行が追及されるという展開に至った時に、確かに局で二度に渡って出演予定タレントが倒れるなんて事があれば、原因追及はされるだろうし、警察に相談だってするだろうと理解はしてるんですけど、あまりに破天荒な事しか起こらないせいか「ちゃんとしてる!」って驚いてしまったというか、世良と滝口が刺された時も「救急車が存在してる!」って驚きましたし、常識的な展開に対して驚きを感じるだなんて、あまりにLDHコンテンツの無法っぷりに慣れ過ぎたよな…と反省してしまう訳で。
作り手がLDH畑で育ってなければ、ちゃんとすべきところはちゃんとしてるんだ!と思えども、MASAKOに追及の手が及ぶ決め手が純烈の人の勘ってどうなのよ?とすぐに撤回させられるし、純烈の人の勘が凄い!という根拠シーンが先週予告で「何、この不吉な映像の連続! 来週何があるの?!」と不安にさせた、妙にリアリティのある犯罪者の連行される姿の連続だった訳で、このバランスが面白さの肝だと理解したし、面白さへの手間暇の掛け方が異常!と震え上がったりもしたのでした。
まぁ、とはいえ、散々感想を書き連ねましたが、やっぱり今週も「JAMドラの怖かったで賞」はタケルが受賞してしまった訳で。
MASAKOにド突かれて俯いたまま静止する不穏な姿を皮切りに「到着までに覚えていただきまーす」って平坦な間延びした言い方でヒロシに無茶を強いたり、ヒロシの乱痴気ショーを眉をひそめて眺める姿、かねてからの計画にとって都合がよかったのか単なる思い付きか突然ピンチヒッター歌手としてテツオを推薦するところまで、タケルが画面に映る度に「さぁ、怖いぞ!」と身体が条件反射で強張っちゃって、もうこの先暫くは、タケル=恐怖のパブロフの犬状態が私は続くな…と悟りつつ、今週の感想をこれにて終わりたいと思います!

あと3話か~!
無限に続いて欲しいぜ!