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JAM -the drama-  第7話感想

感想を書こうとしても「私には何もかも分からなかったのです」と最早、純文学の語り口で述べてしまいそうな第7話。
遊園地とかで夜に観覧車にのって下界を見下ろすと、ピカピカ光る建物がその輪郭を闇に溶かしながら色とりどりの眩さだけ伝えてきて私は綺麗だなって思うより、「何が何だか分かんないなあ」って感じる事の方が多いのですが、まさしくそんな印象で、一個一個特筆すべき事がJAM的には整合性あるっぽいけどこっちからすると「もうちょっと説明頂戴?!?!」みたいな頻度と速度で連発されて、私はもうドラマを全部見終えた時に口に出来た言葉は「徳さんって誰?」の一言しかなかったのです。
いや、ほんと徳さんって誰よ?
あんた、タケルのなんなのよ!

そもそも、私は直人さんが登場する度に「ありがたがりたい!」と願ってもいるんですよね、正直なところ。
何しろ、ナイトヒーローNAOTOに激ハマりして一日で見終えた挙句、最終話で「終わらないで、NAOTO! ずっとヒーローでいて!!!」と号泣した私こと私ですよ?
ちゃんと「劇団EXILEのドラマコンテンツに、あの三代目JSBのNAOTOさんが映画の宣伝の為とはいえ御出演下さるのありがたいなぁ」っていちいち噛みしめたいんです。
NAOTOさんに「若」って呼ばれる町田啓太なんて二度と拝める機会のないだろう僥倖なので、その声音に「耳をすませば」させて頂きたいんです。
きちんと劇団EXILEとNAOTOさんが同じ画面に収まって芝居をしてるの尊い!て喜びたいんです。
第7話とかさぁ!!! ダンス!!! それも、しなやかで色っぽい挑発的で女性的なダンスを作業服で踊りこなしてみせてくれて(ダンスの事一切分からんの民やけん、あれはジャズダンスなのですか?そういうジャンルなのですか?と虚空に問いかけ続けています)、もうありがてぇ! ありがてぇ! 寿命100年延びます! みたいな。
劇団ちゃんらに「お礼言って!!!」とか何様台詞も繰り出しちゃいそうな凄さなのに、正直もう「伝説のダンサー、キング・ザ・ピーチが憑依してるとか、ピーチ先生が幽霊ってこと?!!! じゃあ、バースデーボーイズ達が着てるジャケットって死に装束だから真っ白なの?!!!(ド混乱)」とか毎度の事ながら色んな事が気になり過ぎて、あわあわしてたら劇団EXILEが宙に浮いてるっていう…ね?

金城の超能力の伏線が回収される事を期待してた視聴者この世に一人もいないと思うんですけど(暴論)まさか、ここにきてタイトルにもなる開花する能力の持ち主となるとは思ってもみずに、私は金城とライフルの「こんなに緊張感のない銃口の向けられ方、私見た事ない!」な対決に呆気に取られ、浮く劇団EXILEを見てずっと笑っていました。
いちいちツッコみだしたらキリがないもんだから、いやライフルと超能力の対決を見守る余裕あるなら逃げなさいよ!とか、アンダーグラウンドのショー内容が健全! 殺人ショーとか賭け格闘技とか、そういうのじゃないのね? 明らかに合法ダンスバトルだよね? うん、普通にライブハウスとかでやりなさいよ!とか、もう絶対言いません!
そんなん言い出したら、映画まで遡及して「MASAKOのスープのレシピどうなってんの?」ってとこから追求しないといけなくなるから、もう全部いいのです。
とにかく、幽霊が闊歩し、憑依現象は当然あって、根回しもなしに反社会勢力が市の所有する土地を不法占拠するというハイリスク・ノーリターンな暴挙に出る、LDHの無法地帯劇団EXILEが誇るJAMの世界な訳ですから、もう常識の観点から何か物申すのは野暮なのです(でも、救急車は来るし、警察も存在してるからハイローの世界よりは人間が暮らしやすそうではある)
大事な事は、アンダーグラウンドにはおばさんはいないけど、MASAKOはいる!というそれだけなのです!!(ヒロシが「おばさんがいない」と述べる度に「こんな寄る辺のない声音ある?私も、すぐ言いたい!「私がいるから」ってヒロシにすぐ言ってあげたい! おばさんだからこそ言える資格のある私を寿ぎたい!とまで思い詰めました)

多分、第7話以降一か月位だったら笑顔を失ってしまってもしょうがない位私笑わせて貰った私ですが、JAM名物「このドラマにこの名曲アンバランスじゃない?!」の台詞版「このドラマでこんなイイ台詞必要?!」な「失敗は受け入れます。 でも挑戦しないのは受け入れません」の台詞を、今やJAM界一の怪物と成り果ててしまったタケルが口にして、私は素直に感銘を受けましたし、失敗は許されない家村会よりもタケルの組は優しいぞ!とか見直し(?)ましたし、もう感情が振り回される事にも慣れっこになった私は、大好物の暴力も「テツオとラリアちゃん、テルマ&ルイーズみたい!」と大喜びで享受して「あるがままを受け入れる」事の楽さ加減に浸りきっておりました。
考える意味のないコンテンツを見てるのって、本当に楽なんですよね。
バースデーボーイズのパフォーマンスも最高だったし、これを生で見られる日が楽しみでしかないし、まぁね、うんうんうん。
今回に至るまで、毎回感想文にて全部呑み込むぞ!って決意表明している私でも、昏睡状態の美咲にバースデーボーイズのデビュー戦を音に乗せて届けるタケルの仕打ちには、「え? 何を期待して?? いきなり知らんボーイズグループの、知らん曲聞かされても困惑以外の感情生まれないでしょ? しかも、ダンスは届けられないからゴーストの歌をお聞かせしてるってだけの結果に終わってるし」って、そこはやっぱりタケルの意図不明な恋人への愛情の向け方に戦慄しましたし、それでも開眼しちゃってる美咲には、きちんと一度は「目、覚ますんかい!!!!」とはツッコみました。
うん、そこはね。
最低限の礼儀としてね?

とにかく、来週がいよいよ最終回な訳で。
え? 最終回って、最終の回だから最終回なんですけど、これ最終に…至れる??
JAMドラにてタケルが広げた風呂敷が広いというよりは柄が言語化しにくいせいで「来週、全部畳める?」という心配より、「これ以上何か起こりようある?」みたいな、まさかヒロシが第一話で出会った魔界の住人達がラストから次回予告にかけて姿を見せていて「千葉哲也の伏線の回収だって、多分誰も期待してないよ…」と顔を両手で覆って呻いたりもしたのですが、まぁ、いずれにせよ、こういうテイストのドラマなので、どんな終わり方をしても「そういう話ですが?」ってスンっとした顔をしてられるのも、特権だよなとは思ってますし、ここまで見守ってきたのですから死なば諸共!(ドラマの感想コンテンツで余り見掛けない表現)
リサイタルまでついてくよ!の気持でJAMドラ最終話を待ちたいと思います。